USABMX Grands レポート パート1
Race Report
The Greatest race on earth
先週末アメリカ・オクラホマ州タルサという小さな田舎町で開催された、USABMX主催Grands大会から帰国しました。
「地球上最大のレース」と呼ばれる理由、参加者が感じたこと、そして世界トップクラスの選手を生み出す要素をお伝えしたいと思います!
まずはパート1、大会の大きさ、そして戦い抜くために欠けているもの振り返りましょう。
圧倒的な参加人数と、レース時間
やはりこの大会で1番感じることは、参加人数の多さ!
21カ国から3000人以上の選手が参加し、総モト数は765モトと歴代1位の記録的レースとなった今大会。
大会前レポートにも書いたように、レースは朝の7時から始まり、最終日の決勝が終わったのは夜の11時と、人数そしてレース時間ともに最大のレースとなっている。
レースのヒート間も3時間以上待つこともあり、選手はオンオフの切替と、集中力を保つ事が鍵となる!
レースの本数も日本の3倍
1人当たりのレース数も、通常の日本のレースに比べると遥かに多い。
年齢が2歳刻みのオープンクラスと、各年齢クラス、さらにクルーザークラスと最大3クラスにエントリー可能となっているのがUSABMXの標準スタイル。
予選は2ヒートのみで、各ヒートトップ2人が通過するトランスファーシステムを採用しているため、最初のヒートで2位までに入れば、2ヒート目は走らなくても良い。
しかしそれでも、1/8決勝、準々決勝と勝ち上がっていくと、2クラスで合計10本、2ヒート目通過であれば12本となる。
今回2人の日本人が参加した14歳エキスパートクラスは83名、女子15−16歳クラスでも50名が参加し、1/8決勝があるほど人数が集まっている。
クルーザークラスにも参加していれば、当然4本以上は増えることとなり、1日のレース数が違う。 しかもそれを2日連続で行う! 通常のナショナルレースでは時々3日連続ということも!
このシチュエーションは、スポット参戦の日本人選手としては1日を終えることが精一杯で、最後肝心の準決勝・決勝では力尽きていることがほとんどである。
僕自身が参戦していた小・中学生時代は、もちろん同じシステムで、3カテゴリーに参加していた。
そのシリーズを転戦していたので、単純にそれが標準化していたこともあるけど、日本でも年齢別クラス、クルーザークラス、そして以前あった(JOSFなどではまだある)MTBクラスの3つに参加して、合計30モトの中で3クラスという今振り返るとかなり追い込んだ参戦方法をとっていた!笑
プロクラスは決勝も3ヒート
プロクラスに上がっても本数が多いのは同じである。
今回A-Proクラスに参戦した現全日本チャンピオンである吉村樹希敢選手。
彼の練習量の多さは日本でも有名だが、今回のレースでは決勝前に気力を失っていたという。
プロクラスの予選は通常通りの3本合計、その後1/8決勝、準々決勝、準決勝と進み、最後に決勝も3本合計が待っている!
通常国内では準決勝があれば5本というのが最大レース数であるが、プロでも6本走った後に、そこから勝負の決勝3本。
単純に考えて決勝前にガス欠になることは当然。
それを初日のROCにて経験し、さすがに翌日のGrandsでは対応することができなかった。
「慣れてなかった」と片付けることもできるが、やはり世界のトップが生まれるフィールドには理由があり、これを標準化することが第1ステップなのかもしれない。
昔はプロもオープンクラスやクルーザーがあったから想像するだけで恐ろしい。
僕がA-Proクラスに昇格したときには、JOSF緑山でもエリートクラス決勝3本制度を取り入れてもらい、僕自身を鍛え上げてもらったことには、改めて感謝の気持ちが湧いてくる。
国内では年齢別クラスの人数が少なく、最大でも準々決勝、多くのクラスは3ヒート合計で、1日のレース数がとても少ない。
そこで提案しているのがクルーザークラスへの参戦。
ユース層へは積極的に伝えているが、なかなか増えてこないのが現状。
現在2010年を最後に、UCI国際ルールではエリートクラスのクルーザークラスはなくなってしまった。
しかし子供からオジさんクラスでは当たり前のように残っている。
今年の世界選手権大会では、佐宗恭にクルーザーを提供し15−16クルーザークラスに参戦をさせた。
前日のBMXクラスでは決勝進出を果たしたものの、翌日のクルーザークラスでは年下が混ざっていても準決勝敗退し、決勝へ勝ち進むことができなかった。
しかし各クラス見ても、男女ともに両クラスにエントリーしている選手が多く、そして両クラスともに決勝へ進出していた。
国内ではクルーザークラスは参加人数が少なく、統合1クラスとなっているが、それは今も昔も変わらず、小さい子であれば大人をやっつけることが楽しみで、大人もプライドが邪魔しながらも小さい子に負けないように走るのが楽しみの1つ。
まずは本数を稼ぐために、そして練習では作り出せない「決勝レース」と言う雰囲気を作り出すために、クルーザークラスを活用することはオススメです!
単純に「いっぱいレースがしたい、だからクルーザーも!」それが根底にあって参加であれば最高では!
レポートパート2へ続く…